住宅供給公社の「長期積立分譲」

y_takeuchi2005-07-31

実は不勉強だが、管理組合は結成しないが、自治会は結成しているマンションが有る事は知っていたが、その理由は知らなかった。
私は横浜市における国交省補助事業で築30年以上のマンションの再生に関する事前調査の調査員に参加している。先日受け持ちのマンション4つを尋ねに行ったのだが、その内の2マンションで自治会から管理組合へ移行するという。1つは民間の分譲会社で、もう1つは公社のだったのだ。民間の分譲会社の時は住民の管理の意欲もそれなりに有る感じはしたし、管理状態も良く感じたが、公社のマンションはとんでもなく住民の管理への取り組が悪かったのである。とにかく管理に詳しい住民を教えてくれる様尋ねると公社に聞けと言う。そのマンションは1,2Fがテナント管理する株式会社が所有している複合型であった。そこならもっと増しな情報が聞けると期待したが、答えは同じである。なんと管理組合への移行で全員での集会を開いた以外、今迄集会を開いていないと言う。
釈然としない気持ちのまま最後のマンションに向かう。そこも公社分譲のマンションだった。嫌な予感を抱きながら向かう。途中、間違えて急行に乗ってしまい横浜まで行ってしまったり、暑い中しばし歩いた果てに行き着いたマンションは、予想を裏切らない・・・いや予想以上にスラム化したマンションであった!。これなら昔の上海の九龍城にも負けないのでは?とマンション管理士が思ってはならない事を思いつつ、途方に暮れてしまう。なんせ人が住んでいる住戸の方が少ないのである!。2棟合わせて40戸の内、住んでいそうなのは10戸以下なのである!。窓も割れっぱなしのとこも有るのである!。壁が火災でも有ったの?と言う位真っ黒なのである!。掲示板が破損していて紙を貼る場所が残っていないのである!。
しかし、天はこの新米マンション管理士に助けを出してくれたのである!。なんと清掃業者の方らしきお爺ちゃんが草むしりしているでは無いか〜!。早速聞いてみればやはり公社が管理を全部行っていて、住民の方は全く知らないとのこと。

家に帰って早速調べてみると、長期積立分譲の場合、ローン完済まで所有権が移転しない為、その間は住民組織として自治会を結成して、必要な住環境の整備に対応する訳で、一方、建物管理は、当然その所有者たる公社の責任だという。
しかしローンの完済まで所有権が移転しないというのは分譲会社にとって見れば凄く美味しいだろう。管理費などを別に徴収しておいて(所有権が移転していない状態での修繕積立金や管理費徴収が行われているか確認する必要がある!)、その金の使い方に口出しされないのである!。
もっと酷い場合だと、ずさんな管理をしててもローン完済まで建物は崩壊しては居ないだろう。しかし折角ローンを完済してやっと自己のマンションを得た住民に待つのは、建替えか、又は大規模修繕工事の実施だろう。住民はどの様な想いで生活して来たのであろう?。逆に管理も全部やってくれるので不満は感じていないのだろうか?。今度の再訪問で尋ねる価値が有りそうだ。

注:画像は当該マンションとは関係有りません。