構造計算偽装マンションが及ぼす影響

y_takeuchi2005-11-27

現在マンションに住んでいる人、購入を検討している人、既に契約した人、買主だけで見ても立場は違えど影響を受ける人の数はかなり多い。施工する側や販売する側の人の数も含めれば膨大な数である。
政治家の介入も露呈し、自殺者も出始め、建設会社も早々に逃げ、横浜市は退去命令を出し、今年は悪徳リフォームも含め不動産業界の悪いところが一気に出た感じがする。管理会社の修繕積立金の横領も何件か有ったし、管理コンサルタントが悪い事をした事件もあった。
住まいは大事だ。日本の家屋はウサギ小屋と称されることがあるが、それでも買う側は大金を払って何十年もローンを組んで買うのである。その様な大金が動く市場だからこそ様々な企業や人が集まってくるし、その中には悪い企業も有って当然だ。結局自分を守るのは綿密な購入計画と知識武装や情報修得である。コンサルタントに物件の良し悪しの判断を依頼するという手も有るが、今回の事件のマンションを購入した方の中には、その類のNPOの診断を受けた人も居た。しかしこれらの業者に構造計算が正しいかを求めるのは酷であろう。日本の社会では、小額でも報酬を払えば完璧な仕事を要求される風潮があるが、それは間違いだ。仕事の結果は額に比例して当然だ。
結局は購入者の身を守るのは、購入者自身という気概が無くてはならないとは思う。今回の物件は立地条件の割には恐ろしく安いし広い。ディベの説明の中には経費削減の為にモデルルームを作らないとか、広く作ればその分安いものが作れるとかもっともらしい事を言っているが、普通に考えればそんな努力では埋められるような安さでは無いと思う。購入者は怪しいなあと思わなかったのだろうか。

何はともあれ、まだ全容が見えない事件である。今の段階であれこれ言うのは宜しくない。