スラム化するマンションという話

 何をいまさらという気もするが、6年ぐらい前でもスラム化したマンションは有った。マンション管理士を取って県のマンション管理士会で行った調査に参加した事がある。かなり稀なケースではあるものの、スラム化したマンションは有った。

 スラム化には達していないものの、確か修繕積立金不足が疑われるのは多かったと思うし、新築のマンションもその例外では無い。国交省のモデルプランで大体月1万強の修繕積立金が必要なのに対し、新築マンションのちらしとかだと3千円とかしかない例もある(一時金にもよるだろうが)。その代り管理費が高い。結局、購入者は管理費も修繕積立金も良く判らないから、トータルで月数万払っていれば問題ないと思っているのだろうと思う。
 仮に2〜3回目の大規模修繕までは恙なく行ったとしても、その後ぐらいになると住民も高齢化して金銭の余裕が無くなってくるし、更に後になったり、地震など何らかの理由で建替えも視野に入ってくると、修繕で済ますか建替えるか、どちらにも方向を集約出来ず、結果、必要な修繕も出来ないかも知れない。

 マンションは多くの住民がいるから合意形成等の点ではデメリットだが、メリットは多彩な知識を持つ人がいる。住民が率先して管理組合や理事会活動に参加すると相当違う。逆を言えば住民が率先してそういう活動に取り組まないマンションはスラム化する可能性が高いだろう。