あのマンションの資産価値は?

あのマンションとは不運にも福知山線電車が突っ込んできた尼崎のマンションだ。主要構造体には大した損傷は無かった様だが、機械式駐車場は壊され車は潰され100名以上が亡くなられた場所では不動産鑑定士の意見を聞く必要など無い位、資産価値が下落したのは明白だ。

マンション住民からしてみればマンションを西JRが買い上げ、その他引越し費用や、その他の損害賠償を要求するのが当然だろう。逆に西JRからしてみれば物理的に壊した分の損害賠償と資産価値下落分の賠償で済ませたいのが本音だろう。運休していることで発生している損害や事故列車の放棄、遺族への賠償に加え、築3年マンションと敷地を買い上げ他の賠償も行うのは、西JRの稼ぎは不明だが多分無理だと思う。

大抵は企業なんて不祥事の直後は反省したような事を言うが、裁判が始まる頃には世間のほとぼりも冷めているので手のひら返したような態度をとる。三菱自動車が良い例だ。まして今回西JRは最初から自分に責任が無い様に言い訳してたのだから、誠実な態度を期待するのは無理だと思う。

訴訟に突入した場合、ゆとりのあるマンション住民は他の場所へ引っ越すことも可能だろうけど、そうは出来ない人が大半だろう。勝てれば良いが、負ければ引越しで生じた家賃は賠償されない。最高裁まで続けばとても長くなる、企業という存在に比べ、弱い立場である住民が消耗戦を長期に仕掛けられたら、住民は何の罪も無いのに不幸にされてしまう。西JRには一マンション管理士として誠実な対応を願いたい。