太鼓現象?

y_takeuchi2005-07-09

今迄、遮音の勉強をしてきた中で太鼓現象というのを見たのは乾式二重床での重量床衝撃音性能が悪くなる要因の1つとして出てきた事はある、しかし他ではない。だがどうも世間一般の認識では、GL工法に代表されるような壁の共鳴透過にもこの言葉が適用されているらしい。
そもそも太鼓現象とは?、はっきり解説されたものに出会った事は無いが、太鼓の原理は空気が密閉されているので両側の膜が加振により振動してそれが固体の共鳴周波数で揺れて音が発生するものだ。つまり空気音の入力による共鳴現象とは違い、1方の膜に力の入力が有った場合に、空気の密閉があると起こる現象だ。現象は共鳴とは言えど両者の違いは大きい。

だから壁の空気音遮音で太鼓現象なんて言葉は出てこない。また二重床の太鼓現象で共鳴という言葉に惑わされてか、吸音材が有効な等と言う輩も居るが、それは誤りだろう。二重床の空気層の厚さを考えれば共鳴周波数は結構低い。重量床衝撃音の性能を決めることが多いオクターブバンド帯域は63Hzだ。吸音材の効果はかなり薄いし、なにより支持脚や際根太からの振動伝達による影響の方が大きい。個人的には吸音材は軽量床衝撃音対策と考えているが、今度建設会社の技術研究所に仕事に行ったらお客さんの音響研究員にまた御質問させて頂こう。