狭小住宅は、ピロティを活用すべし

 TV等で狭小住宅の番組でお馴染みだが、緩和規定というものがある。
建蔽率
・角地10%up(他にも、防火地域等での防火建物だとなんかある)
・屋根、バルコニー、庇、先端から1m以内
・出窓
容積率
・車庫(全床面積の1/5まで)
・地下室(全床面積の1/3まで、地上1.2m以下)
・ロフト(直下床面積の1/2まで、固定階段不可、天井高さ1.4mまで)
・バルコニー(先端から2m以内)
・外部階段

主には容積率の緩和規定をフル活用する事になる訳だが、当然コストもかかる。
これは初期の段階で大雑把な値段を、へーベル営業さんから聞いた話だが。(我が家の場合)
・へーベルが大好きな屋上のビアガーデン化:約150万円up
・へーベルがもっと大好きな三角屋根ロフト化:約200〜400万円up
・三角屋根では無い簡易なロフト化:約50万円up
・半地化:約700〜1000万円up
・免震化:約400〜500万円up(震度7級が2,3回来れば修繕費より安くなる)
・地盤改良:約100万円up
・外壁修繕:約150万円
・雨水利用(地上タンク):約50万円up
・雨水利用(地下タンク):約70万円up

 屋上ビアガーデン化は最初へーベルが出してきたプランに有ったが、我輩の家族はそんな趣味は無いので没。何度か設計変更させた上で結局は最初のへーベルのプランに似通ったが、屋上が無いのと、ピロティの有無が大きな違いだ。
 半地下はコストがべらぼうなのでプラン外。免震は欲しかったが、まあ土地が神奈川県の中でも比較的揺れない場所なので無くした。当然、地盤改良は必要なし。
 エコな精神を少しは持とうかと雨水利用を考えるが、思ったより高いので除外。営業さんも勧めなかった。
 
 値段の事を考えると、ロフトが無難となる。我が家ではロフトを最大の大きさにしたので、結構でかい。しかしこれ、直下(つまり2F)床面積に比例する。我が家では容積率は80%で建蔽率は60%であった。建蔽率60%をフルに使うので、1Fか2Fのどちらかが20%しか無い状態となる。ロフトを最大にするには2Fを60%にするしか無い。そうなると1Fは20%分の部屋しか無く、寂しい。そこでピロティの出番である。

 ピロティとは吹き抜けた場所であり、本来は部屋では無い。しかしである。建築基準法での容積率緩和規定には、自動車置場あるいは自転車置場であり、ピロティの様な吹き抜けた場所である必要は無い。上記用途で使うなら、吹き抜けても構わないからピロティが多いだけで、外壁とシャッターで独立した室で有っても良い訳だ。逆を言えば、その様な室でも容積率の対象から外れるから意味が有るのだ。

 そこで屁理屈をこねて見る。自転車置場と言う事は、下は絨毯でもOK?。極端な話、普通の部屋に外に自転車を出せる扉が有ればOK?。という要望が出てくる。自動車置場では、下は絨毯でも可能でも、外との扉はシャッター以外に選択肢は無い。いかな内装を居室の様に出来ても、壁の一面がシャッターでは困るものだ。だが、自転車置場なら、自転車の出入れなら、普通のサッシでも可能だ。

 へーベルの営業さんと設計さん曰く、その場所の市や区等の行政の判断を聞くしかないという。時悪く東横インの問題があって、厳しい時期と言う話が有ったが、営業さんに直接役所に出向いて確認して貰う事とした。
 結構、紆余曲折があったのだが、結局は外部扉をサッシ、床高を最初廊下から50cm下だったのが、玄関土間と同じ高さになった。出来れば廊下と同じ高さが良いのだが、さすがに無理な相談か。まあ後で自分で根太を組んで出来ない事は無い。
 居室らしくない点は、床面が廊下から玄関土間と同じ高さ分下がっている点と、壁が外壁そのまんまという点。後、多分、天井も外壁そのまんまだと思うが。また廊下との扉も勝手口で使われる、重厚な外用扉だ。サッシも住宅用が壁との関係で使えず商業用となり、シャッターの値段が結構高くなったのが難点だ。

 まあ、これで何畳稼いだか正確な数字は解からないが、多分9畳位だ。1Fはこの9畳位のピロティ(自転車置場)と約17畳のリビング&ダイニングだけで、後は階段室と廊下、玄関だけ。浴室は2Fに上げ、4.5畳、約5畳×2等の居室3室で、ロフトは9畳取れた。

 半地下にするよりは、低コストであろう。